05/09/2026
先日の記事の応用編です。
〇SWS試験結果の読み方(応用編)
―qaの「ばらつき」から地盤を読む―
SWS試験結果を見るとき、私がかなり気にしているものがあります。
それが、各測点で求めた長期許容支持力度qaの「ばらつき」です。
例えば5測点のうち、1測点だけqaが飛び抜けて大きい、あるいは小さい。
こういう場合は、まず試験時の状況や地盤条件を確認します。
一方で、もっと気になるのが、
「なんとなく場所によってqaが違う」
というケースです。
こんなとき私は、
・qaの最大値
・qaの最小値
・qaの平均値
を求めます。
そして、
(最大値-最小値)÷平均値
を計算してみます。
こうすると、測点間の差がどの程度大きいのかを、感覚ではなく数字で見ることができます。
ここからは私自身の経験則ですが、この値が50%を超えてくる現場は、不同沈下リスクを少し慎重に考えるようにしています。
さらに大切なのは、数字だけを見て終わらないことです。
qaの大きな測点と小さな測点が、敷地の中でどのように分布しているのかを見てみます。
もし一方にqaの小さな測点が偏っているなら、各測点でNswが大きくなる深度も比べてみてください。
例えば、
qaの小さい側では軟弱な地盤が厚く、
qaの大きい側では軟弱な地盤が薄い。
そんな地層の傾斜や層厚の変化が見えてくることがあります。
これが分かると、単に
「qaが○kN/㎡だから大丈夫」
ではなく、
「この敷地の中で、地盤がどう変化しているのか」
という見方ができるようになります。
そして、軟弱層の厚さが敷地内で大きく変化しているのであれば、その変化を無視して基礎や地盤補強を考えるより、比較的安定した地層まで補強材を到達させる方法も含めて検討した方が、不同沈下リスクを抑えやすい場合があります。
SWS試験は、それだけですべての地盤情報が分かる試験ではありません。
でも、
「不同沈下しそうなところはないか?」
という視点を持って各測点を比較すると、見えてくる情報はかなり増えます。
測点ごとの数字を一つずつ見るのではなく、
「敷地全体としてどうなっているのか」を読む。
ここがSWS試験結果を見るうえで、とても大切なところだと私は考えています。
建築士さんがここまでSWS試験結果を読めるようになると、地盤調査会社や地盤補償会社から出てきた判定についても、
「なぜ、この判定なのだろう?」
と自分で考えられるようになります。
それは、家づくりにとってかなり心強いことです。
現在、私がこれまで現場で経験してきた「SWS試験結果の読み方」を少しずつ言語化しています。
寒くなる頃までには、工務店さんや建築士さんに共有できる形にしたいと思っています。
地盤を専門にしていない方でも、不同沈下につながるサインを拾えるように。
そんなものにできればと思っています。
【イラストについて】本文中で書いた、「敷地内で軟弱地盤の厚さが違う」というのは、こういう状況。「そら、傾くわ」と思いませんか?
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