トランジション・ピリオド行政書士事務所

トランジション・ピリオド行政書士事務所 トランジション・ピリオド行政書士事務所, 法律, 南区西九条池ノ内町34番地2 金星ビル2階 AKE〔暁〕, Kyoto-shiの連絡先情報、マップ、方向、お問い合わせフォーム、営業時間、サービス、評価、写真、動画、お知らせ。

京都の玄関である八条口を拠点に、スモールビジネスオーナー様への法務サポートを全国展開しております。
起業、事業承継、転換、拡大、縮小など、ビジネスの過渡期に直面する様々な課題に対し、行政書士としての専門知識と異業種ネットワークを活かし、迅速かつ的確に対応いたします。

私たちの願いは、こうした過渡期支援をはじめ、ビジネスの成功への献身的なサポートを通じて、お客様の人生を豊かにすることです。
ビジネス初心者の方も、安心してご相談ください。

適格請求書発行事業者
(登録番号:T9810951505253)

26/08/2026

🟦 いま、制度が語ること。
Vol.30|在留手数料は、なぜここまで上がるのか。
― 10月からの大幅引上げと、減額制度が示しているもの ―

外国人の在留手続にかかる手数料が、10月1日から大きく変わります。

政府は8月25日、在留資格の変更、在留期間の更新、永住許可などにかかる手数料を引き上げる政令を閣議決定しました。

現在、在留資格変更・在留期間更新の手数料は、

・窓口申請 6,000円
・オンライン申請 5,500円

ですが、改定後は、許可される在留期間によって金額が変わります。

たとえば、

・1年 窓口3万3,000円/オンライン2万7,000円
・3年以上5年未満 窓口6万4,000円/オンライン5万6,000円
・5年以上 窓口7万5,000円/オンライン6万5,000円

となります。

永住許可は、

▶ 1万円から20万円へ。

かなり大きな引上げです。

🖇️ 出入国在留管理庁
「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」

一見すると、「在留手続の手数料が値上がりする」という話に見えます。

しかし、今回の改正を制度の構造から見ると、もう少し大きな変化があります。

🔄 手数料は、「手続の実費」だけではなくなる

今回の手数料は、単純に審査にかかった人件費や事務費だけから計算されているわけではありません。

入管庁が示している考え方では、

▶ 審査に要する実費
▶ 外国人の出入国・在留管理に要する費用
▶ 外国人が日本社会で安定して在留するための支援に要する費用
▶ 諸外国の同種の手数料

などが考慮されています。

ここで使われているのが、「応益的要素」という考え方です。

つまり、

▶ 行政手続にいくらかかったか

だけではなく、

▶ 在留することによって受ける利益も含めて、一定の負担を求める

という考え方です。

制度の方向性は、かなり明確です。

これまでの「手続の対価」という性格から、

「制度を利用し、その利益を受ける人にも制度維持の費用を負担してもらう」

という方向へ動いています。

🏠 20万円という数字が持つ意味

特に象徴的なのが、永住許可です。

現在1万円の手数料が、20万円になります。

なぜ20万円なのか。

入管庁の資料では、

永住許可の審査に要する実費を約2万円。

さらに、永住許可後の平均在留期間が約13.5年であることを踏まえ、応益的要素を約18万円。

合わせて20万円とする考え方が示されています。

つまり、この20万円は、

単に「永住審査にこれだけ費用がかかる」

という数字ではありません。

永住許可によって、その後長期間、日本で安定して在留できること。

その「利益」まで手数料の中で評価しています。

ここは、今回の制度改正を見るうえで重要なところです。

制度が、

▶ 在留許可を行政手続として見るだけではなく、
▶ 継続的な利益を伴う制度として捉え始めている。

その考え方が、手数料という数字に表れています。

🌏 日本は、いまも「選ばれる国」なのか

ただ、ここでもう一つ考えておきたいことがあります。

その「日本に在留できる利益」は、国際的に見ても、これから同じように高く評価され続けるのか。

ということです。

日本に暮らす外国人そのものが減っているわけではありません。

2025年末の在留外国人数は約412万人。

外国人労働者も約257万人に達し、いずれも過去最多です。

外国人の受入れは、現在も増えています。

一方で、「外国人から選ばれる国として、日本の魅力は十分なのか」となると、別の問題が見えてきます。

OECDは、日本について、高度外国人材を引き付ける国としての魅力度が国際的に相対的に低いと指摘しています。

背景には、

▶ 他国と比べた賃金水準
▶ キャリア形成の難しさ
▶ 高い日本語能力を求める労働市場
▶ 家族の生活環境
▶ 住宅や金融サービスへのアクセス
▶ 将来の見通し

などがあります。

もちろん、日本の文化や治安、生活環境に魅力を感じて来日する人も多くいます。

しかし、働く場所や暮らす国を選べる外国人にとって、日本だけが選択肢という時代ではありません。

人材を必要としているのは、日本だけではないからです。

各国が外国人材を必要とし、「どう受け入れるか」だけではなく、「どうすれば来てもらえるのか」「どうすれば残ってもらえるのか」を競う時代になっています。

そう考えると、

日本に長く在留することによる「利益」を手数料の中で高く評価する一方で、その利益自体が、外国人から見て国際的にどれだけ魅力的なのか。

ここには、少し難しい問いがあります。

⚠️ 「払えない人」はどうなるのか

一方で、手数料が大きく上がれば、当然もう一つの問題が出てきます。

経済的に負担できない人を、制度はどう扱うのか。

今回の改正では、一定の場合に手数料を減額できる仕組みも設けられます。

基本となるのは、

▶ 生活保護法上の要保護者に準ずる程度に生活に困窮していること

に加えて、

▶ 難民や補完的保護対象者
▶ 一定の難民認定申請者
▶ 人身取引の被害者
▶ 日本人の配偶者など一定の身分関係にある人
▶ ひとり親など、人道上の配慮が必要な一定の類型

に該当する場合などが想定されています。

つまり、「収入が少ない」「生活が苦しい」というだけで、広く減額される仕組みではありません。

生活困窮の程度と、人道上の事情。

その両方を制度上確認できることが基本になります。

🧩 制度は、「困っている人」をどう見つけるのか

ここに、もう一つの論点があります。

現実の生活では、生活保護を受けていなくても、生活がぎりぎりの人はいます。

難民認定を申請していても、すべての人が保護費を受給しているわけではありません。

家賃を払い、食費を払い、家族を養いながら、数万円の在留手数料を負担することが難しい人もいるでしょう。

しかし、制度が判断するためには、「困っている」という状態を、そのまま扱うことはできません。

✓ 誰を生活困窮者とするのか。
✓ 何をもって確認するのか。
✓ どの事情まで人道上の配慮として扱うのか。

どこかに基準を置く必要があります。

基準を置けば、制度は公平に運用しやすくなります。

一方で、その基準のすぐ外側に、

▶ 実際には負担が重いけれど、制度上の減額対象にはならない人

が生まれる可能性もあります。

これは、在留制度に限った話ではありません。

✓ 補助金
✓ 社会保障
✓ 生活支援
✓ 各種の減免制度

制度は、多くの場合「困っている人」そのものを見るのではなく、「制度が定めた要件によって、困っていることを確認できる人」を対象に動きます。

そこに、制度と生活のあいだの難しさがあります。

🌍 行政書士実務との接点

今回の改正は、在留資格を扱う行政書士実務にも直接影響します。

これまでは、更新や変更の手数料は、申請全体の中では比較的小さな費用でした。

しかし今後は、

✓ どの在留期間が許可されるのか
✓ 窓口申請かオンライン申請か
✓ 本人だけでなく家族も更新するのか
✓ 減額制度の対象になり得るのか

によって、家計への影響も変わります。

たとえば、家族全員が在留期間を更新する場合。

一人あたり数万円の違いでも、家族単位では大きな負担になることがあります。

申請書を整えるだけではなく、

✓ 制度変更によって生活に何が起きるのか。
✓ どの選択肢があるのか。
✓ どの制度が利用できるのか。

そこまで見ながら支援する必要性は、これまで以上に高くなっていくように感じます。

🧭 問題は、「値上げ」だけではなく、その順番かもしれない

手数料を引き上げること自体が、直ちに問題というわけではありません。

行政サービスには費用がかかります。

在留管理にも、外国人支援にも、多くの公費が使われています。

その一部を、制度を利用する人が負担する。

そこには、一つの考え方があります。

一方で、日本は人口減少と人手不足が進み、外国人材を受け入れるだけではなく、

日本で長く働き、暮らし、地域や社会を支える人として定着してもらうことも必要になっています。

そう考えると、

▶ 日本で働きたいと思える環境をつくる
▶ 家族と安心して暮らせる環境をつくる
▶ キャリアや将来を描ける環境をつくる
▶ 日本を長期的な生活の場所として選んでもらう

そうした「選ばれる国」としての条件を整えることと、在留による利益に応じた負担を求めること。

どちらを先に、どこまで進めるのか。

という政策の順番も考える必要があります。

特に永住は、これから日本に来る人のための制度ではありません。

高度専門職の人たちなど一部の例外はありますが、すでに日本で一定期間生活し、働き、税や社会保険を負担し、地域や職場との関係を築いてきた人が、さらに日本を長期的な生活基盤として選ぶ段階です。

その入口に20万円という負担を置くことが、

外国人材の定着という国の利益と、

どのように両立するのか。

ここは、今回の改正を考えるうえで、もう一つ重要な視点だと思います。

🧭 制度と生活のあいだで

在留資格は、単なる行政サービスではありません。

✓ 日本で働くこと
✓ 家族と暮らすこと
✓ 学校に通うこと
✓ 事業を続けること
✓ 地域で生活を続けること

その基盤でもあります。

だからこそ、「いくら負担してもらうのか」と同時に、「その国を選んでもらうために、どんな環境をつくるのか」

そして、「負担できない人を、制度がどう扱うのか」も考える必要があります。

▶ 負担を求める制度
▶ 人を呼び、定着してもらう制度
▶ 生活を守る制度。

その三つを、どこでつなぐのか。

今回の改正は、そこを問いかけているように感じます。

📖 制度が語っていること

今回の在留手数料の改正が語っているのは、単に、「在留手続が高くなります」ということではありません。

在留という制度を、

▶ 行政手続の実費だけではなく、
▶ そこから得られる利益や、制度を維持するための費用も含めて考える。

制度は、そういう方向へ動いています。

一方で、日本は外国人にとって、「来ることができる国」であるだけでは足りません。

働く国として。

家族と暮らす国として。

そして、長く人生を築く国として。

これからも「選ばれる国」である必要があります。

在留することによる利益を高く評価し、負担を求めるのであれば、その利益そのものを、外国人から見ても魅力のあるものにしていく必要があります。

そして、負担を大きくするのであれば、その負担に耐えられない人を、どう見つけ、どう支えるのか。

という問いも、同時に生まれます。

制度は今、

▶ 「受益に応じた負担」
▶ 「外国人から選ばれる環境」
▶ 「生活への配慮」

その三つを、どこで両立させるのか。

その問いを、私たちに投げかけているのだと思います。

---

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

01/08/2026

◾️ ホームページをリニューアルしました

このたび、トランジション・ピリオド行政書士事務所のホームページをリニューアルしました。

今回のリニューアルでは、デザインを見直すとともに、当事務所が大切にしている「過渡期支援」の考え方が、より伝わるよう構成や内容を整理しました。

私どもには、「何から始めればよいか分からない」「複数の課題が重なり、どこから手をつければよいか悩んでいる」といった段階でご相談いただくことが少なくありません。

そのようなとき、私どもは制度や手続だけを見るのではなく、事業、お金、暮らし、人との関係なども含めて現在の状況を整理し、お客様と一緒に次の一歩を考えることを大切にしています。

また、今回のリニューアルでは、オンライン相談を基本とした全国対応に加え、多言語での情報発信やご相談にも対応しました。日本で暮らし、働き、事業を営む外国人の皆さまにも、安心してご相談いただける環境づくりを進めています。

ホームページについても、皆さまにより分かりやすく、より便利にご利用いただけるよう、今後も継続して内容や機能の充実を図ってまいります。

お時間がございましたら、ぜひ一度ご覧いただけますと幸いです。

ホームページ:https://tp-law.net

今後とも、トランジション・ピリオド行政書士事務所をよろしくお願い申し上げます。

20/07/2026

🟥 いま、制度で伸ばす。
Vol.17|法人版事業承継税制
― 「会社を次の世代へつなぐ」ための制度 ―

「事業承継」と聞くと、

「まだ先の話」

と思われる方も少なくありません。

しかし実際には、

・後継者は決まっているが、準備は進んでいない
・子どもや従業員へ会社を引き継ぎたい
・会社は続けたいが、株式の承継が心配
・社長自身が元気なうちに準備を始めたい

というご相談は、決して珍しいものではありません。

そのとき、大きな課題となることがあるのが、

会社の株式にかかる相続税・贈与税

です。

こうした負担を軽減し、円滑な事業承継を支援する制度が、

法人版事業承継税制

です。

🌱 「会社」を引き継ぐとは、「経営」を引き継ぐこと

会社を承継するということは、

株式だけを渡すことではありません。

そこには、

・お客様との信頼関係
・従業員
・許認可
・技術やノウハウ
・地域とのつながり
・会社の理念や文化

など、長年積み重ねてきた経営資源があります。

法人版事業承継税制は、

一定の要件を満たした場合、

非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税を猶予する制度

です。

事業そのものが途切れることなく、次の世代へ引き継がれることを目的としています。

💼 TP-Lawで想定される活用場面

例えば、

・建設業許可を持つ会社
・産業廃棄物処理業等の許可を持つ会社
・飲食店や美容サービスを運営する会社
・製造業
・運送業
・介護、障害福祉等のサービスを運営する株式会社等
・地域で長年営業してきた非上場の中小企業

など、

「会社として事業を続けていく」

ことを考える場面で活用が検討されます。

💰 制度の概要

法人版事業承継税制には、

一般措置



特例措置

があります。

対象となるのは、一定の要件を満たす中小企業者である非上場会社の株式または出資です。

すべての法人や株式が対象となるわけではなく、上場会社や一定の資産管理会社などは対象外となります。

特例措置では、一定の要件を満たすことで、

対象となる非上場株式等に係る相続税・贈与税について、全額の納税猶予

を受けられる場合があります。

ただし、

これは、税金が直ちに免除される制度ではありません。

制度の適用を受けた後も、

・株式の継続保有
・会社の継続
・一定の届出

などが必要です。

一方で、

後継者の死亡や、さらに次の後継者への一定の事業承継など、

法律で定められた免除事由に該当した場合には、

猶予されていた税額の全部または一部が免除されます。

また、

特例措置を利用するためには、

後継者や承継までの経営見通し等を記載した

「特例承継計画」

を作成し、

認定経営革新等支援機関の所見を得た上で、

都道府県へ提出する必要があります。

現在、

特例承継計画の提出期限は

令和9年9月30日

まで、

対象となる贈与・相続等の期限は

令和9年12月31日

までとなっています。

制度の利用を検討している場合は、

早めに準備を始めることが重要です。

📝 事業承継は、税金だけでは終わらない

事業承継というと、

税金の話ばかりが注目されます。

しかし実際には、

・後継者は誰が適任なのか

・いつ承継するのか

・株式をどのように引き継ぐのか

・役員体制をどう見直すのか

・許認可は承継できるのか

・金融機関へどう説明するのか

・従業員へいつ伝えるのか

・取引先との信頼関係をどう引き継ぐのか

など、

経営全体を見据えた準備が必要になります。

税制は、その一部に過ぎません。

🧭 TP-Lawの視点

法人版事業承継税制は、

「税金を安くする制度」

ではありません。

本来の目的は、

地域で育まれてきた会社や事業を、次の世代へつなぐこと

にあります。

TP-Lawでは、

✔ 事業承継を考え始めるべき時期はいつか

✔ 後継者へ何を引き継ぐのか

✔ 許認可や契約関係をどのように整理するのか

✔ 株式や税務について、税理士等とどのように連携するのか

✔ 承継後の事業計画や資金計画をどう描くのか

✔ 補助金や融資など、承継後の成長支援をどう組み合わせるのか

を整理し、必要に応じて税理士、中小企業診断士、金融機関などとも連携しながら伴走します。

事業承継は、

社長が引退するときの話ではありません。

「次の10年を、誰が、どのように経営していくのか」

を考え始めたときから、事業承継は始まっています。

だからこそ、

税制だけを見るのではなく、

会社全体の未来を見据えて準備することが大切です。

TP-Lawでは、

「事業承継をするかどうか」ではなく、

「いま、事業承継の準備を始めるべき段階にあるのか」

を整理する初回相談から承っています。

制度ありきではなく、

会社の未来から一緒に考えること。

それが、円滑な事業承継への第一歩だと考えています。

---

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

15/07/2026

🟦 いま、制度が語ること。
Vol.29|決算書は、誰のために作るのか
― 会計参与という、中小企業の「数字の信頼」を支える仕組み ―

個人で事業を始めた頃は、経営者自身が、営業、現場、経理、資金繰りまで担っていることも珍しくありません。

その後、売上や取引が増え、会社を設立し、従業員や幹部が育ち、複数の役員で経営を担う段階へ進むと、会社の数字は、経営者一人だけのものではなくなっていきます。

✓ 借入や設備投資の規模が大きくなる
✓ 共同経営者や株主が増える
✓ 事業承継を考え始める
✓ 取締役会の設置を視野に入れる

こうした場面では、金融機関、株主、役員、後継者などに対して、

▶ 決算書が、どのような資料や判断に基づいて作られているのか。
▶ その数字が、実際の事業や財産の状態を適切に表しているのか。

を説明できることが重要になります。

その「数字の信頼」を支える会社法上の仕組みの一つが、会計参与制度です。

2025年9月には、日本税理士会連合会と日本公認会計士協会により、「会計参与の行動指針」が改正されました。

制度を大きく変える改正ではありませんが、現在の法令や会計環境に合わせて実務指針が更新されていることは、中小企業の計算書類の信頼が、今も重要な課題であることを示しています。

🌱 会計参与とは

会計参与は、株式会社が任意に置くことのできる、会社法上の役員・機関です。

就任できるのは、

✓ 税理士・税理士法人
✓ 公認会計士・監査法人

に限られます。

通常の顧問税理士は、会社との契約に基づき、会計や税務を外部から支援します。

これに対して会計参与は、株主総会等で選任され、会社の役員として登記され、取締役と共同して計算書類を作成します。

さらに、会計参与報告を作成し、計算書類等を会社とは別の場所にも備え置き、株主や債権者から適法な請求があった場合には、閲覧や交付に対応します。

つまり、

▶ 会社の正式な機関として、取締役とともに決算書の作成に責任を持つ専門家

です。

🏢 取締役会を置きたい会社にとっての意味

会社が成長すると、

✓ 誰が重要な経営判断をするのか
✓ 誰が日常の業務を執行するのか
✓ 誰が取締役の仕事を監督するのか
✓ 誰が決算書の信頼を支えるのか

という役割分担を整える必要が生じます。

これを機関設計といいます。

難しく聞こえますが、簡単にいえば、

▶ 会社を、どのような役割分担で運営するかを決めること。

です。

取締役会は、重要な業務執行を決定し、取締役の職務執行を監督する機関です。

取締役会を置く会社では、原則として監査役も置かなければなりません。

ただし、すべての株式に譲渡制限がある「公開会社でない株式会社」が会計参与を置く場合には、監査役を置かずに取締役会を設置できる例外があります。

ここでいう「公開会社でない」とは、上場していないという意味ではありません。

すべての株式の譲渡について、会社の承認を必要とする会社をいい、多くの中小企業が採用している形です。

そのため、

✓ 経営幹部を取締役に迎え、複数の取締役で重要事項を決めたい
✓ 取締役会を設置し、組織的な経営へ移りたい
✓ 一方で、適任の監査役を確保することが難しい
✓ 親族などを名目的な監査役に置く形は避けたい
✓ 顧問税理士との関係を、申告支援から会計の信頼確保へ発展させたい

という会社にとって、

▶ 税理士等が会計参与として数字の信頼を支えながら、監査役を置かない取締役会設置会社とする

という機関設計が、選択肢になり得ます。

ただし、会計参与は、監査役の単純な代用品ではありません。

監査役は、取締役の職務執行を監査します。
会計参与は、取締役と共同して計算書類を作成します。

役割が異なるため、「監査役を置かなくて済むから」という理由だけで選ぶ制度ではありません。

自社に必要なのが、業務執行全般を監査する機能なのか、会計専門家の関与によって計算書類の信頼を高める機能なのか。

会社の規模、株主構成、事業内容、将来像を踏まえて判断する必要があります。

🔎 会計参与を置くメリット

会計参与を置けば、決算書が自動的に正しくなったり、融資が必ず有利になったりするわけではありません。

本当の意味は、

▶ 根拠を説明できる決算書を、継続的に作る体制を整えること。

にあります。

取締役と会計参与が共同して計算書類を作るため、会社側にも、

✓ 売掛金や在庫は実在しているか
✓ 借入金や未払金に漏れはないか
✓ 会社と経営者個人のお金は分けられているか
✓ 役員貸付金などの内容を説明できるか
✓ 決算数値と事業の実態が一致しているか

を確認し、説明できる状態が求められます。

その積み重ねは、

✓ 経営者が自社の数字を理解する
✓ 金融機関に資金使途や返済可能性を説明する
✓ 株主や役員と経営状況を共有する
✓ 事業承継やM&Aに向け、平時から数字を整える

ことにつながります。

会計参与という肩書そのものよりも、専門家と共同して「説明できる会計」をつくる過程に価値があります。

🤝 税理士とTP-Lawが、会社の成長をつなぐ

会計参与に就任できるのは、税理士や公認会計士です。

TP-Lawの行政書士が、会計参与になることはできません。

顧問税理士が、その会社の会計参与を兼任することも可能です。

その場合、従来の税務顧問契約を維持しながら、取締役との計算書類の共同作成、会計参与報告の作成、株主等への開示対応など、会計参与としての役割を追加することになります。

税理士にとっても、

▶ 税務申告を支援する外部専門家から、会社法上の機関として数字の信頼を支える役割へ

関与の幅を広げられる制度です。

通常の顧問業務とは役割と責任が異なるため、会計参与としての報酬を別に設計することも考えられます。

単なる顧問料の値上げではなく、会社法上の新たな役割と責任に対する報酬です。

一方で、会計参与には会社法上の責任が伴うため、税理士にとっても、通常の顧問契約の延長で安易に引き受けられるものではありません。

連携する税理士は、

✓ 会社の会計・税務の状況を確認する
✓ 会計参与への就任が適切かを判断する
✓ 取締役と共同して計算書類を作成する
✓ 経営者が数字を理解し、説明できる状態を支える

という役割を担います。

TP-Lawは、個人での創業、会社設立、許認可、事業拡大と伴走してきた立場から、

✓ 会社がいま、どの成長段階にあるのか
✓ なぜ取締役会や会計参与を検討するのか
✓ 取締役、監査役、会計参与の役割をどう設計するのか
✓ 定款、株主総会議事録、社内規程をどう整えるのか
✓ 会計資料、決裁、情報共有をどう運用するのか

を、経営者の方のご意向と会社の実情に沿って整理し、税理士や司法書士との連携につなげます。

税理士が、数字の信頼を専門家として支える。
TP-Lawが、その制度を会社の成長と組織運営の中に位置付ける。
司法書士が、必要な商業登記を実行する。

専門家を個別に紹介して終わるのではなく、それぞれの役割を、会社の次の成長段階へ向かう一つの流れとしてつなぐ。

そこに、伴走するTP-Lawの役割があります。

⚠️ 制度を置くことが目的ではない

会計参与を置くには、報酬の負担に加え、定款変更、選任、登記、資料を適時に提出できる社内体制が必要です。

一人株主・一人取締役で、外部へ数字を説明する機会が少ない会社では、費用や手続に見合う効果が得にくいこともあります。

会計参与は、

▶ 経理や決算を専門家へ丸投げするための制度

ではありません。

▶ 個人で始めた事業が、数字を共有し、組織で成長できる会社へ移るための選択肢

です。

取締役会を置くことも、会計参与を置くことも、それ自体が目的ではありません。

大切なのは、

✓ 誰が意思決定するのか
✓ 誰が業務を執行するのか
✓ 誰が監督するのか
✓ 誰が数字の信頼を支えるのか
✓ その情報をどう組織で共有するのか

を、実際に機能する形で整えることです。

📖 制度が語っていること

決算書は、税務申告が終われば役割を終える書類ではありません。

経営を振り返り、次の投資を判断し、金融機関へ説明し、役員や株主と状況を共有し、後継者へ会社を引き継ぐための基盤でもあります。

創業期には、経営者個人の判断と信用で事業を動かせます。

しかし、会社が成長するほど、経営を一人だけに依存させない仕組みが必要になります。

会計参与制度は、その過程において、

▶ 自社の数字を、誰に対しても透明に説明できる状態をつくる。

ために会社法が用意している、一つの選択肢です。

制度は今、

▶ “決算書を作ること”から、“数字の信頼を経営に生かすこと”へ。

その転換を、会社に問いかけているのだと思います。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。―

🟥 いま、制度で伸ばす。Vol.16|先端設備等導入計画/制度実装型の過渡期支援― 小さな設備投資を、生産性向上と経営改善につなげる ―「設備投資」と聞くと、大規模な工場や高額な生産設備を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、スモール...
13/07/2026

🟥 いま、制度で伸ばす。
Vol.16|先端設備等導入計画/制度実装型の過渡期支援
― 小さな設備投資を、生産性向上と経営改善につなげる ―

「設備投資」と聞くと、大規模な工場や高額な生産設備を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、スモールビジネスにおいても、

・厨房設備を導入する
・測量機器や建設機械を導入する
・美容機器を入れ替える
・業務用スキャナーやサーバーを導入する
・POSレジや在庫管理システムを整備する
・業務管理、AI、OCR等のソフトウェアを導入する

といった設備投資が、生産性向上の大きなきっかけになることがあります。

こうした設備投資を、単なる購入ではなく、今後の経営改善計画として整理する制度が、

「先端設備等導入計画」

です。

🌱 設備を安く買う制度ではなく、生産性を高めるための計画制度

先端設備等導入計画は、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業者が設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。

新しく導入する設備が所在する市区町村が、国の同意を受けた「導入促進基本計画」を策定している場合に、市区町村へ認定を申請できます。

計画期間は3年間、4年間または5年間です。

計画期間中、労働生産性を年平均3%以上向上させる計画を策定する必要があります。

ここでいう労働生産性は、原則として、

> (営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量

によって計算します。

つまり、

「設備を購入したい」

というだけではなく、

・作業時間をどの程度短縮できるのか
・売上や利益にどのような効果があるのか
・人手不足への対応につながるのか
・品質やサービス提供能力がどう向上するのか

まで整理することが重要です。

💼 スモールビジネスで考えられる活用例

TP-Lawが主に支援する事業者様であれば、例えば次のような設備投資が考えられます。

建設業

・測量機器
・ICT建機
・ドローン
・CAD等の業務用ソフトウェア

飲食店

・厨房機器
・冷蔵・冷凍設備
・食器洗浄機
・POSレジ

美容業

・美容機器
・シャンプー設備
・予約・顧客管理システム

小売・サービス業

・セルフレジ
・在庫管理設備
・業務用端末
・店舗運営システム

士業・専門サービス業

・高速スキャナー
・サーバー、NAS等の業務用機器
・業務管理、AI、OCR等のソフトウェア

ただし、これらが一律に対象となるわけではありません。

設備が事業に直接使用され、労働生産性の向上に必要であることに加え、設備を設置する市区町村の導入促進基本計画に、業種、地域、設備等が適合している必要があります。

💰 認定を受けることで利用できる支援

先端設備等導入計画の認定を受けた場合、要件を満たすことで、主に次の支援を受けられる可能性があります。

固定資産税の特例

令和7年4月1日から令和9年3月31日までに一定の設備を新規取得する場合、賃上げ方針や投資利益率等の要件を満たせば、固定資産税の課税標準が軽減されます。

・雇用者給与等支給額を1.5%以上増加させる方針
 →3年間、課税標準を2分の1に軽減

・雇用者給与等支給額を3%以上増加させる方針
 →5年間、課税標準を4分の1に軽減

税制対象となる設備の最低取得価額は、原則として、

・機械装置:160万円以上
・工具:30万円以上
・器具備品:30万円以上
・建物附属設備:60万円以上

です。

なお、ソフトウェアは先端設備等導入計画には含められる可能性がありますが、固定資産税特例の対象外です。

金融支援

認定計画を実行するため、民間金融機関から融資を受ける場合、信用保証協会による通常枠とは別枠の追加保証を利用できる可能性があります。

ただし、計画の認定と、金融機関・信用保証協会による融資・保証の審査は別です。認定を受けても、融資や保証が確約されるわけではありません。

📝 申請前に確認したいこと

先端設備等導入計画を利用する際には、次の点に注意が必要です。

・設備を設置する市区町村が、導入促進基本計画を策定しているか
・対象業種、地域、設備等が市区町村の計画に適合しているか
・認定経営革新等支援機関による事前確認を受けられるか
・労働生産性を年平均3%以上向上させる計画になっているか
・固定資産税特例を利用する場合、年平均5%以上の投資利益率が見込まれるか
・賃上げ方針を従業員へ表明できるか
・設備取得前に認定を受けられるスケジュールになっているか

特に重要なのが、設備の取得時期です。

先端設備等導入計画は、設備を取得する前に認定を受ける必要があります。

設備取得後に申請して遡って認定を受ける特例はありません。

発注、契約、納品、取得の時期については、申請先の市区町村や関係機関と事前に確認することが重要です。

🧭 TP-Lawの視点

この制度は、

「設備を買えば税金が安くなる制度」

ではありません。

設備投資を通じて、

・どの業務を改善するのか
・どれだけ時間やコストを削減するのか
・売上や付加価値をどう増やすのか
・設備導入後の業務を誰が運用するのか
・投資資金をどのように調達するのか
・賃上げを含めた計画を実行できるのか

を整理する制度です。

TP-Lawでは、

✔ 設備投資が制度の対象となる可能性があるか
✔ 市区町村の導入促進基本計画に適合するか
✔ 設備投資と労働生産性向上の関係をどう整理するか
✔ 固定資産税特例や金融支援の要件を満たせるか
✔ 補助金、融資、税制をどのように組み合わせるか
✔ 認定経営革新等支援機関や金融機関と、どの順番で調整するか

を確認し、設備投資の実行までの道筋を整理します。

設備を導入することが目的ではありません。

導入した設備が実際に使われ、仕事の進め方が変わり、生産性と利益が向上し、その先の成長につながること。

“設備の申請支援”ではなく、
“設備投資を起点とした経営改善の設計”として伴走します。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

労働生産性向上や賃上げ促進のために、中小企業者が先端設備を導入する取り組みに対して、税制支援や金融支援を行っています。

13/07/2026

🟫 いま、過渡期を設計する。
Vol.2|相談者が持ってくるのは、課題の全体図ではない
― 一つの手続名から、まだ見えていない全体をたどる ―

行政書士事務所へのご相談は、多くの場合、具体的な手続の名前から始まります。

「建設業許可を取りたい」
「在留資格を変更したい」
「補助金を申請したい」
「契約書を作りたい」
「法人の手続を整えたい」

ご本人が調べて相談されることもあれば、金融機関、不動産会社、他士業、知人などから、

「まず行政書士に相談してみては」

と紹介されることもあります。

行政書士は、許認可、在留資格、契約書、法人・団体手続など、制度上の具体的な「点」を扱う専門職です。

したがって、ご相談の入口が一つの手続名になることは、ごく自然なことです。

ただ、実際にお話を伺うと、その手続だけを進めれば、相談者が望む状態にたどり着けるとは限らないことがあります。

許可を取る前に、物件や契約を確認する。
在留資格を整える前に、事業内容や勤務実態を整理する。
補助金を申請する前に、投資の目的や資金計画を見直す。
契約書を作る前に、当事者の役割や責任を明確にする。

相談者が持ってくる手続名は、間違った課題名ではありません。

それは多くの場合、いま表面に現れている一つの課題です。

その点から前後をたどることで、まだ言葉になっていなかった課題や、次に必要となる支援が見えてくることがあります。

相談者が最初から持っているのは、完成した課題の全体図ではありません。

まず見えている一つの点と、その先にある、まだ形になっていない次の状態です。

🔎 一つの相談の中に、複数の課題がある

例えば、

「事業が忙しくなってきたので、人を迎えて仕事を任せたい」

という相談があります。

最初は、採用するのか、外部へ委託するのかという問題に見えます。

実際に雇用する場合の労働条件、労働契約、社会保険、労務管理などは、社会保険労務士による専門的な確認が必要です。

しかし、その前に整理しておかなければならないことがあります。

✓ 代表者は、どの仕事を抱えているのか。
✓ どの業務を他の人へ切り出せるのか。
✓ 雇用と外部委託のどちらが、現在の事業に合うのか。
✓ 誰に、どこまでの役割と権限を渡すのか。
✓ 顧客情報や事業上の資料を、どのように共有するのか。
✓ 業務の手順や確認方法が整理されているか。
✓ 人件費や外注費を、継続的に負担できるのか。

求人を出したり、契約書を作ったりする前に、代表者の頭の中にある仕事を、

・自分に残す仕事
・他の人へ任せる仕事
・任せるために標準化する仕事
・最終的な判断や承認が必要な仕事

に分ける必要があります。

そのうえで、雇用が適切であれば社会保険労務士へつなぐ。

業務委託契約、秘密保持、情報管理、業務フローなどの整備が必要であれば、それぞれの専門家や事業者と役割を分担する。

「人を迎えたい」という一つの言葉から、必要な準備と専門家の役割を明らかにしていきます。

🧩 経営者の現実は、専門分野ごとに分かれていない

許認可、融資、契約、雇用・労務、在留資格、税務、登記、IT。

それぞれに制度があり、担当する専門家も異なります。

しかし、経営者の日常では、それらが一つの出来事の中に重なって現れます。

外国人を迎える場合には、在留資格だけでなく、職務内容、雇用条件、受入体制、社会保険、情報管理などが関係します。

新しい店舗を開く場合には、許認可だけでなく、物件、資金、契約、設備、人員、開業後の運用までがつながっています。

事業を誰かに託す場合には、名義変更だけでなく、権限、顧客との関係、許認可、契約、業務知識、意思決定の経緯などを引き継がなければなりません。

一方で、相談窓口や専門家の領域は分かれています。

そのため相談者は、自分が知っている言葉の中から、最も近いと思うものを選んで相談します。

「補助金を受けたい」
「会社を作りたい」
「契約書が必要だと思う」
「在留資格を変更したい」
「システムを導入したい」

いずれも、間違った相談ではありません。

ただし、その言葉だけで、必要な支援の全体まで表されているとは限りません。

⚖️ 依頼を尊重することは、そのまま進めることだけではない

依頼者の希望を尊重することは、専門家の基本です。

一方で、求められた手続をそのまま進めることだけが、希望を尊重することではありません。

その手続によって、

✓ 本人が望む状態に近づくのか。
✓ 先に確認すべきことはないか。
✓ より負担の少ない方法はないか。
✓ 他の専門家による支援が必要ではないか。
✓ 今は進めない方がよい事情はないか。

を確認する必要があります。

DNA鑑定を希望されていても、目的によっては、他の資料や方法で事実を立証できるかもしれません。

補助金を探していても、事業計画、資金使途、資金繰りの整理が先になることがあります。

会社を設立したいと考えていても、事業規模や管理体制によっては、今すぐ法人化しない方がよい場合もあります。

AIやクラウドツールを導入したくても、誰が何を行い、どこに情報を保存するのかが決まっていなければ、導入した仕組みが使われなくなることがあります。

依頼された手続の奥にある目的を確認し、その目的に合う進み方を考える。

そこから、相談が始まります。

🧭 相談とは、全体の地図を描く時間でもある

相談の価値は、その場で一つの答えを出すことだけではありません。

✓ 事実を並べる。
✓ 関係者を確認する。
✓ 期限を整理する。
✓ 不安を分解する。
✓ 目指す状態を言葉にする。
✓ 制度上の問題と事業上の問題を分ける。
✓ 誰に相談すべきことなのかを整理する。

こうして話を進めるうちに、

「自分が困っていたのは、ここだったのか」
「この手続の前に、まず別の整理が必要だったのか」
「一つの専門家だけで解決する問題ではなかったのか」

と見えてくることがあります。

それは、相談者の中になかった答えを、専門家が一方的に与えたということではありません。

散らばっていた事実や思いを一緒に並べ直し、見えていなかった全体像を少しずつ描いた結果です。

TP-Lawでは、現在の状態、目指す状態、関係者、期限、制度上の制約、進行を妨げている要因などを整理し、現在地を可視化する工程を大切にしています。

手続を選ぶ前に、まず地図を描く。

それによって、

・単発の手続で足りるのか
・複数の支援を組み合わせる必要があるのか
・他の専門家へつなぐべきなのか
・どの順番で進めるべきなのか

が見えてきます。

🌱 過渡期は、制度上の名前が付く前から始まっている

人や事業の変化は、制度上の名前より先に始まります。

✓ 売上が増え、人を迎える必要が出てきた。
✓ 家族の状況が変わり、働き方を見直したい。
✓ 事業を続けたいが、今の方法では限界を感じる。
✓ 新しい拠点を持ちたいが、資金や人員に不安がある。
✓ 誰かに事業を託したいが、何を準備すればよいか分からない。

これまでの仕組みでは回らなくなってきた。
しかし、次の仕組みはまだできていない。

過渡期とは、そのあいだにある時間です。

相談者が最初から持ってくるのは、完成した課題の全体図ではありません。

いま見えている一つの点と、その先にある次の状態です。

TP-Lawは、その点を入口に現在地と目的地を描き、必要に応じて制度や専門家をつなぎながら、次に進む道筋を整理するところから、過渡期の支援を始めたいと考えています。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

🟥 いま、制度で伸ばす。Vol.15|新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回公募)― 新しいサービス、新しい顧客、新しい市場への挑戦を形に ―2026年6月29日から、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募が始ま...
11/07/2026

🟥 いま、制度で伸ばす。
Vol.15|新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回公募)
― 新しいサービス、新しい顧客、新しい市場への挑戦を形に ―

2026年6月29日から、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募が始まりました。

申請受付は8月31日(月)から。
応募締切は 9月30日(水)18:00厳守です。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施する、新しい補助制度です。

なお、本制度は、従来から実施されている「中小企業新事業進出補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは、別の補助金です。

🌱 小さな事業者の“大きな次の一手”に

この補助金は、中小企業等が取り組む、

・技術的革新性のある新製品・新サービスの開発
・既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出
・海外市場開拓に向けた、国内の輸出・提供体制の強化

などを、設備投資やシステム構築等の面から支援する制度です。

たとえば、TP-Lawが主に支援するクライアント様であれば、

・既存事業で培った技術や専門性を活かし、新しい高付加価値サービスを開発する
・既存サービスとは内容や提供価値の異なる新サービスを、新たな法人・業種・顧客層へ提供する
・許認可事業者が、保有する設備やノウハウを活かして新分野へ進出する
・新しいサービスの提供に必要な専用システムや業務基盤を構築する
・自社の製品やサービスを、新たな国・地域へ展開するための国内提供体制を整える

といった取組が考えられます。

ただし、

・単にホームページを作る
・広告を出す
・古くなった設備を更新する
・既存サービスの提供量を増やす
・既存サービスの提供方法だけを変える
・同じ商品やサービスの商圏を広げる

といった取組だけでは、原則として対象となりません。

新しい製品・サービスの開発、新しい顧客層・市場への進出と、それを実現する設備投資やシステム構築等が、一つの事業計画としてつながっていることが重要です。

💰 3つの補助対象枠

今回の補助金には、次の3つの枠があります。

【革新的新製品・サービス枠】

顧客に新たな価値を提供する、革新的な新製品・新サービスの開発を支援する枠です。

単に機械やシステムを導入するだけではなく、自社の技術力や専門性を活かした、新製品・新サービスの開発が必要です。

また、同業他社で既に相当程度普及している製品・サービスは、原則として対象になりません。

・補助率:中小企業者 1/2
・小規模企業・小規模事業者、再生事業者 2/3
・地域別最低賃金引上げ特例の対象となる中小企業者 2/3
・補助下限:100万円
・基本補助上限:最大2,500万円
・賃上げ特例適用時:最大3,500万円
・機械装置・システム構築費の計上が必須

従業員数1~5人の場合の基本上限は750万円、賃上げ特例適用時は850万円です。

従業員数6~20人の場合の基本上限は1,000万円、賃上げ特例適用時は1,250万円です。

【新事業進出枠】

これまで提供していなかった新しい製品・サービスを、これまで対象としていなかったニーズや属性を持つ顧客層・市場へ提供する取組を支援する枠です。

ここでいう「新規性」は、日本初・世界初であることではなく、申請する事業者にとって新しい取組であることを意味します。

一方で、既存商品・サービスの単なる提供量の増加、過去に行っていた事業の再開、提供方法だけの変更、既存市場の一部を対象とする取組、単なる商圏の拡大などは、対象外となります。

・補助率:中小企業者 1/2
・地域別最低賃金引上げ特例の対象となる場合 2/3
・補助下限:750万円
・基本補助上限:最大7,000万円
・賃上げ特例適用時:最大9,000万円
・機械装置・システム構築費または建物費の計上が必須

従業員数1~20人の場合の基本上限は2,500万円、賃上げ特例適用時は3,000万円です。

【グローバル枠】

自社の製品・サービスを活用し、これまで進出していなかった国・地域の市場を、自ら開拓するための国内提供・輸出体制の強化を支援する枠です。

取引先から求められて海外対応を行うだけではなく、自社が主体となって新たな海外販路を開拓する取組であることが求められます。

・補助率:2/3
・補助下限:750万円
・基本補助上限:最大7,000万円
・賃上げ特例適用時:最大9,000万円
・機械装置・システム構築費または建物費の計上が必須
・海外旅費、通訳・翻訳費なども対象経費に含まれます

従業員数1~20人の場合の基本上限は2,500万円、賃上げ特例適用時は3,000万円です。

📝 応募にあたってのポイント

・申請は電子申請で行います
・GビズIDプライムアカウントの取得が必要です
・応募申請時点で従業員が0名の事業者は対象となりません
・補助事業終了後3~5年の事業計画を策定する必要があります
・次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、申請時までに「両立支援のひろば」で公表する必要があります
・一般事業主行動計画とは別に、「子育て等に関する職場環境整備」に向けた取組も必要です
・金融機関等から資金提供を受ける場合は、金融機関による事業計画の確認書が必要です
・外部専門家の助言を受けることはできますが、事業計画は申請者自身が作成し、実行と成果に責任を持つ必要があります

GビズIDプライムアカウントの発行や、一般事業主行動計画の公表には一定の期間がかかるため、早めの準備が必要です。

また、採択された時点で、申請した経費がすべて補助対象として認められるわけではありません。

採択後に交付申請と経費の精査が行われ、その後に交付決定となります。

補助事業の実施期間は交付決定日から始まるため、設備やシステムについて、交付決定前に発注・契約を進めないことが重要です。

📈 3~5年の事業計画に求められること

事業計画では、原則として、次の目標をすべて満たす必要があります。

・付加価値額の年平均成長率を4.0%以上増加させる
・1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる
・事業計画期間中、毎年、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準にする

賃上げ要件や事業場内最低賃金要件を達成できなかった場合には、補助金の一部または全部の返還を求められることがあります。

賃上げ特例による補助上限額の引上げを受ける場合には、さらに、

・1人当たり給与支給総額を年平均6.0%以上増加させる
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金より50円以上高い水準にする

という、より高い目標が必要です。

🧭 TP-Lawの視点

この補助金は、

「欲しい設備を安く買うための制度」

ではありません。

既存事業で培ってきた技術、設備、顧客理解、専門性などの経営資源を活かしながら、これまでとは異なる次の事業へ、本格的に移行するための制度です。

新しい事業へ挑戦するためには、設備やシステムの導入だけでなく、

・誰に、どのような新しい価値を提供するのか
・既存事業と何が違うのか
・どの顧客層・市場へ進出するのか
・なぜ自社だから実現できるのか
・投資後に、誰が事業を運用するのか
・補助金が入金されるまでの資金をどう確保するのか
・許認可、契約、人員、情報管理をどう整えるのか
・賃上げを含む3~5年の計画を、現実に実行できるのか

といった整理が必要です。

特に、新事業進出枠とグローバル枠は補助下限額が750万円です。

補助率が1/2の場合、補助金750万円を受けるためには、少なくとも1,500万円程度の補助対象投資が必要となります。

補助率が2/3の場合でも、少なくとも1,125万円程度の補助対象投資が必要です。

そのため、

「まず小さく試してみたい」

という段階の事業者よりも、

1,000万円を超える規模の投資、補助金入金までのつなぎ資金、賃上げを含む中期計画を実行できる事業者が、次の市場へ本格的に進むための制度

と考えた方がよいでしょう。補助下限額と補助率は、枠ごとに定められています。

TP-Lawでは、補助金の申請だけを切り離すのではなく、

✔ 自社の取組が、どの公募枠に当てはまるのか
✔ 新しい製品・サービスと、新しい顧客・市場をどのように整理するのか
✔ 設備・システム投資と収益計画がつながっているか
✔ 補助金が入金されるまでの資金を、どのように調達するのか
✔ 許認可、契約、融資、人員、専門家連携をどの順番で進めるのか
✔ 賃上げ要件を含む3~5年の計画を、無理なく実行できるのか

を確認し、事業全体の道筋を整理します。

事業計画については、申請者ご自身が主体となって作成できるよう、

・事業構想のヒアリング
・現在地と目標の整理
・公募要件との照合
・事業計画の構成整理
・実行スケジュールの設計
・計画内容のブラッシュアップ

を支援します。

必要に応じて、中小企業診断士、認定経営革新等支援機関、税理士、社会保険労務士、金融機関、システム事業者などとも連携します。

補助金を取ることが、目的ではありません。

新しい事業が始まり、売上につながり、人が育ち、補助事業が終わった後も、自社で続けられること。

“設備の申請支援”ではなく、
“次の事業への移行設計”として伴走します。

📅 公募期間

公募開始:令和8年6月29日(月)
申請受付:令和8年8月31日(月)
応募締切:令和8年9月30日(水)18:00厳守

📍 実施機関:独立行政法人中小企業基盤整備機構
🔗 詳細:https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/

※本投稿は、2026年7月11日時点で公表されている第1回公募要領等に基づく一般的な情報です。公募要領は今後改訂される場合がありますので、申請時には必ず公式サイトの最新版をご確認ください。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とします。

10/07/2026

🟫 いま、過渡期を設計する。
Vol.1|手続は、いつも単体ではやってこない
― 一つの相談の向こう側にあるもの ―

行政書士事務所に寄せられるご相談は、多くの場合、一つの手続の名前から始まります。

「許可を取りたい」
「在留資格を変更したい」
「融資を受けたい」
「契約書を作りたい」
「法人の手続を整えたい」

もちろん、それぞれに必要な制度があり、提出すべき書類があり、満たさなければならない要件があります。

けれど、実際にお話を伺っていくと、その手続だけを進めても、相談者が本当に望んでいる状態にはたどり着かないことがあります。

🔎 許可の前後にあるもの

例えば、新しい事業を始めるために許可が必要だという場合。

確認しなければならないのは、申請要件だけではありません。

✓ その物件で、本当に事業を行うことができるのか。
✓ 賃貸借契約の内容と、予定している事業が一致しているのか。
✓ 設備投資を先に進めても問題はないのか。
✓ 開業までの資金は足りるのか。
✓ 許可を取得した後、誰が帳簿や期限を管理するのか。
✓ 従業員や外注先との役割は決まっているのか。

許可申請は、一つの「点」です。

しかし、相談者が進もうとしている事業には、その前後をつなぐ「線」があります。

さらに、その線の周囲には、不動産会社、金融機関、工事業者、税理士、社労士、家族、共同経営者など、複数の関係者が存在しています。

申請書だけを見ていると、その全体は見えません。

🧩 問題が広がっているのではない

相談の中で、契約、資金、人、情報管理などの話が出てくると、

「相談内容が広がってしまった」

と感じられることがあります。

けれど、実際には、途中から問題が増えたわけではありません。

もともと一つの事業、一つの生活の中でつながっていたものが、対話を通じて見えるようになっただけです。

行政の制度は、許認可、在留資格、補助金、法人設立手続など、目的ごとに分かれています。

専門家の仕事も、税務、登記、労務、法務、ITなど、それぞれの領域に分かれています。

しかし、経営者の現実は、そのようにきれいには分かれていません。

✓ 事業を始めること。
✓ 資金を用意すること。
✓ 家族の生活を維持すること。
✓ 必要な人を迎えること。
✓ 制度に適合すること。

すべてが、同じ時間の中で進んでいきます。

🧭 手続が終わることと、過渡期を乗り越えること

手続が終わることと、過渡期を乗り越えることは、必ずしも同じではありません。

許可証が届いても、営業を開始できる体制がなければ、事業は動きません。

融資が実行されても、実際に運転資金を使いこなせなかったり、実務の担当者が決まっていなければ、計画は進みません。

契約書を作っても、当事者同士が役割を理解していなければ、合意は現場で機能しません。

制度上の一つの手続を終えるだけではなく、

✓ 次に何をするのか。
✓ 誰がそれを担うのか。
✓ どの記録を残すのか。
✓ どのような状態になれば、自分たちで進められるのか。

そこまで見通す必要があります。

🌱 過渡期を、一つの移行として見る

人や事業が次の状態へ移ろうとするときには、複数の課題が同時に現れます。

それは、何かが間違っているからではありません。

これまでの仕組みでは足りなくなり、次の仕組みへ移ろうとしているからです。

TP-Lawでは、個別の手続を大切にしながらも、その手続が置かれている全体の過渡期を見ることを重視しています。

✓ 何を目指しているのか。
✓ いま、どこにいるのか。
✓ 何が進行を止めているのか。
✓ どの制度や支援が必要なのか。
✓ どの順番で進めればよいのか。

手続は、いつも単体ではやってきません。

だからこそ、一つの書類の向こう側にある、事業と生活の全体を見ることから始めたいと考えています。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

08/07/2026

◼️ 新規業務開始のお知らせ
DNA鑑定(法的・行政手続対応)の取扱いを開始いたしました。

人生や事業には、親子関係、国籍、在留資格、相続など、
「事実を証明しなければ前へ進めない過渡期」があります。

このたび、DNA鑑定分野で実績を有する株式会社ローカス様と連携し、同社のDNA鑑定サービスを取り扱う体制を整えました。

DNA鑑定は、「親子鑑定」というイメージが強いかもしれません。

しかし実際には、在留資格・国籍に関する手続、認知や親子関係の立証、相続に関する親族関係の確認、裁判等における証拠資料など、人生の重要な転機に関わる場面で活用されています。

また、外国人雇用、職員の国際結婚、親族経営、相続・事業承継など、経営の現場でも、身分関係や親族関係の整理が事業の継続に関わる場面があります。

弊事務所では、DNA鑑定そのものをご案内するだけではなく、

「本当にDNA鑑定が必要なのか」
「どのような手続に活用できるのか」
「他の方法で解決できないか」

まで含めてご相談をお受けします。

弊事務所は、これからも人生や事業の過渡期に寄り添い、制度・手続・証拠の面から、次の一歩を支援してまいります。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

03/07/2026

◼️ FAX番号変更のお知らせ

2026年7月7日より、弊事務所のFAX番号を下記のとおり変更いたします。

旧FAX番号:075-286-3230 ➡︎ 新FAX番号:075-600-2985

今後、FAXにて書類をご送付いただく際は、上記番号宛にお願いいたします。

なお、電話番号およびメールアドレスに変更はございません。

何卒よろしくお願い申し上げます。

📍 TP-Law
― 人と事業の過渡期に、制度と伴走を。 ―

住所

南区西九条池ノ内町34番地2 金星ビル2階 AKE〔暁〕
Kyoto-shi, Kyoto
601-8416

営業時間

月曜日 09:00 - 18:00
火曜日 09:00 - 18:00
水曜日 09:00 - 18:00
木曜日 09:00 - 18:00
金曜日 09:00 - 18:00

ウェブサイト

アラート

トランジション・ピリオド行政書士事務所がニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

事業に問い合わせをする

トランジション・ピリオド行政書士事務所にメッセージを送信:

ショートカット

共有する

カテゴリー