25/01/2018
皆さま
いつも「子ども虐待死ゼロ」を目指す法改正の実現を求める活動にご理解賜りありがとうございます。
さて本年(平成30年)1月12日、大阪府知事、大阪市長、堺市長、箕面市長、寝屋川市長あてに、「児童相談所、市町村と警察との全件情報共有と連携しての活動を求める再度の緊急要望書」を提出し、記者会見しました。箕面市の4歳児虐待死事件と寝屋川市の子どもの頃からの女性長期監禁凍死事件を受けてのものです。
1 昨年12月末、大阪府箕面市で4歳児の歩夢ちゃんが母親と同居の男2人から暴行を受け殺害されるという事案が発生しましたが、前メルマガ記載のとおり、本件については大阪府の児童相談所と箕面市が把握し家庭訪問する等していたものの、警察とは情報共有がなされていなかったと報じられております。私どもが一昨年11月に提出した要望書を大阪府が受け入れ、児童相談所、市町村と警察が情報共有の上連携して活動していれば、歩夢ちゃんはかくも残酷に殺害されることは十分防げたと考えられます。1年以上経過しながら、いまだ大阪府は警察との情報共有にほとんど応じないまま、こういう事件を引き起こしています(大阪市、堺市も同様に応じていません)。
そこで、再度の要望書を提出し、大阪府の副知事さんに直接お会いし強くお願いしましたところ、担当者とは違い、大変前向きな姿勢を感じました。
その後、大阪府の中央、東大阪、岸和田の3つの児童相談所の所長さんに、私から、警察との全件情報共有と連携しての活動の必要とメリットについて説明いたしました。私からは、何か不安なり懸念なりがあればお伺いしたい、それが誤解であればその旨ご説明するし、ごもっともなものであれば府警に伝えそれをできる限りなくすように努める旨お話しし、率直な意見交換をさせていただきました。正直なところ、できないとかやるべきでないとか、そういうご意見は全くありませんでした。
大阪府の児童相談所の所長さんからこのようなご理解いただいたことに誠にありがたく、厚く感謝申し上げる次第です。具体的な情報提供の方法とかは今後協議して定めていくことになると思いますが、大阪府では全件情報共有に向けた大きな方向性は定まったものと感じております。なお、昨年の12月26日には兵庫県の児童相談所所長さんらと同様の意見交換を行い、やはり問題とのご指摘は全くありませんでした。
2 次に、大阪府寝屋川市で女性が子どものころから16、17年間も両親から監禁され、十分な食事も暖房も与えられず体重がわずか19キロとなり、凍死させられたという残虐極まりない事件が明らかになりました。子どもの不登校事案の中には、このような監禁、虐待死事件が少なくありません。親が子どもに会わせなかったのであれば、学校や市は案件を抱え込むのではなく、警察と連携して強制的にでも家庭に立ち入り、この女性を子どものときに助け出さなければならなかった事案です。やはり警察を含めた関係機関の情報共有と連携した対応が不可欠なのです。
このような多くの機関にまたがる活動は、法律で警察を含む関係機関の情報共有と連携しての活動を義務付けなければ、縦割りが強く、「個人情報保護」を必要な情報共有をしない正当化事由とし、「親の言い分を信じました」を子どもを助けなかった言い訳とする我が国の役所の体質からして、到底実効性は期待できません。このことはこれまでの3年の取組で痛感しています。この女性のように20年も家庭内で監禁・虐待され衰弱死・凍死させられるような残虐な事件は決して二度と起こしてはならず、そのためにはやはり法律による義務付けが必要不可欠です。
悲惨な事件が続く一方で、茨城県に続き、兵庫県、大阪府でも全件情報共有に向けた動きがみられるようになるとともに、箕面市が歩夢ちゃんの事件を受け要保護児童地域対策協議会の実務者会議に警察の参加を要請し、警察と全件情報共有する意向とも聞いております。徐々にではありますが、理解は広まっていると感じているところです。引き続き、ご理解ご支援のほどお願い申し上げます。ご一読ください。
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後藤啓二
NPO法人シンクキッズー子ども虐待・性犯罪をなくす会
代表理事
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警察庁に23年間勤めた弁護士による、コンプライアンス、リスク管理、反社会的暴力対策などを主な業務とするブティック型法律事務所です。