19/05/2025
3.相続対策を必要とする場面はいつまで続くのか
財務省は図5のようにシミュレーションして、過半の相続で納税が困難な状況にはならないと判断して税制改革を行ったと推察されます。逆に言えば、図5のような財産構成から大きく外れる(一般には倍半分以上の乖離)場合に、納税難易を試算して備えることが大事なのであり、例えば現預金が半分以下とか土地が倍以上もあれば、納税資金が不足する可能性が高まります。また自社株の評価額が異常に高い会社オーナーは、株を他人に売るわけにはいかないので、事業承継税制を利用した自社株譲渡の準備を生前から進めておく必要がある等、我々専門職業家が役立つ場面が多いと考えられます。
問題はいつまでこの相続が続くかと言う点にあります。日本の家計金融資産の6割以上が65歳以上(2019年時点)の高齢者世帯が保有しています。
この層がこれから一斉に被相続人となり始めるわけであり、概ね2040年まで続くと予想されます(図7)。その後のボリュームゾーンである「団塊ジュニア世代=2019年時点で40台後半」はバブル崩壊後に社会人となった氷河期世代であり、収入・資産が少ない特徴を有しています。団塊世代の相続人として相続財産を受けたとしても相続税として現預金は徴収され、今後の令和バブル崩壊で不動産価格や株価が「調整」されればこの層の相続財産は棄損されることになります。だとすれば相続市場が活況を示す期間は今後10-15年程度ではないかと予測されます。
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相続や贈与における節税に対する考え方、手法等に関して、実例に基づいて該当法令の条文や判例を引用しての解説を、不動産鑑定士としての観点からブログとして1テーマ1記事で掲載しています。