12/05/2015
大阪市西成区で許可なく簡易宿泊所を営業したとして、大阪府警が神戸市の不動産会社などを旅館業法違反の疑いで家宅捜索したというニュースがありました。その簡易宿泊所を活動拠点にしていた覚醒剤の密売人らが逮捕されていたことがあり、それがあって大阪府警が「ヤミ簡宿」の本格的な摘発に乗り出したというものです。
日本の人口減などの影響もあってか、普通の賃貸アパート・マンションの空室問題はあると思います。その空室対策として一時的に宿泊させる営業形態も考えるオーナーもいらっしゃるかと思います。
さらに! 東京オリンピック開催もあり、来日する外国人観光客に一時的な滞在先として宿泊させてみてはどうか、そして空室や不動産を有効活用しよう!という考えもあるでしょう。ゲストハウス営業と言うのでしょうか。
しかし! 旅館業法の許可を受けなければ違法なんです。
旅館業の許可が必要な場合とは、次のような場合です(※旅館業法、通達)
① 宿泊料を受けていること ※名目のいかんを問わない。(※法第2条)
② 寝具を使用して施設を利用すること ※寝具は宿泊者が持ち込んだ場合でも該当。(※法第2条)
③ 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること(※通達)
④ 宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること(※通達)
(注④について : 生活の本拠を置くような場合、例えばアパートや間借り部屋などは貸室業・貸家業であって旅館業には含まれません。)
契約の更新がない「定期建物賃貸借契約」などを締結し、「宿泊」という形態ではなく、
「一時使用を目的とした賃貸借」「本物件を一時的な生活の本拠として賃貸借」「期間を定めた賃貸借」「期間を定めた使用目的賃貸借」であるとしてゲストハウスのような営業をしている業者もネットで検索しますと出てくるように思います。 注)定期借家契約では、契約期間を自由に設定することができることから、契約期間を1日とした定期借家契約を締結することも可能です。
しかしながら、旅館業法と厚労省通達を読む限り、それらの業者は旅館業法の規制を受け、旅館業の許可を得なければならないと、私は考えます。たとえ、賃貸借(又は定期借家契約)であっても、上の①~④に該当すれば旅行業の許可は必要ということになります。
なお、無許可営業の罰則規定は「六月以下の懲役又は三万円以下の罰金」(旅館業法第10条)とされています。
ちなみに、今回の東京オリンピック開催をひかえて、国家戦略特別区域における旅館業法の特例(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)があって、その認定を受けることができれば、旅館業法第3条第1項の規定(旅館業の許可の規定)は適用しないとされています。(※国家戦略特別区域法第13条)
その認定による合法的なゲストハウスが今後は増えてくるかもしれません。(それでも滞在期間10日や広さ1居室25㎡の要件を課すなどの条件があるようです。個人的にはもっと要件を緩やかにした方が経済的なのではと思いますが、空室問題は深刻でしょうし。。。)
なお、ゲストハウス営業は、旅館業法の他、消防法、場合により食品衛生法、借地借家法、建築基準法、条例も関係してくると考えられます。
行政書士みのりの法務事務所 山田貴彦
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