04/02/2026
本日は全国から応援に駆けつけていただきありがとうございました。
一審の福岡地裁に引き続き国の責任を否定し、福島県外からの避難者を全て切り捨て、雀の涙のような一審認容額を更に切り下げるという微塵の良心も感じられぬ判断に強い憤りを感じています。
期日後の原告団総会にて最高裁への上告を決定しました。
本日の声明文をご紹介します。
福島原発事故被害救済九州訴訟(第1陣)
福岡高裁判決についての声明
本日、福岡高裁第1民事部は、福島原発事故被害救済九州訴訟(第1陣)について、判決を言い渡した。
本訴訟は、2011(平成23)年3月11日に発生した福島第一原発事故により、福島県及び近隣都県より避難を余儀なくされた避難者らが、東京電力ホールディングス株式会社及び国を被告として、避難により受けた損害の賠償を求めて提訴したものである。一審である福岡地裁が国の責任を否定するなどした2020(令和2)年6月24日一審判決を不服とした控訴人らは、一審に引き続き、福島第一原発事故に対する被告東京電力及び国の責任を明らかにするとともに、控訴人ら全員が福島原発事故の被害者であって、全員に対してしかるべき損害賠償が認められるよう裁判所に求め、同年の控訴以来、5年あまりにわたって控訴審をたたたかってきた。
本判決は、まず、一審判決と同様に、被告国には、事故の予見可能性については予見の程度が低いとし、結果回避可能性を否定し、福島第一原発事故に対する国の責任を否定した。また、控訴審において控訴人らが新たに指摘した原発の一時停止の義務についても、社会的影響などを理由に否定した。
未曽有の大災害を起こしうる原発に対して、国は事業者に万全の安全体制を構築させるべき規制権限を行使する厳格な責務を負っているところ、本件事故後に次々と明らかになったとおり、国は「規制の虜」となってその責務を果たしていなかった。本判決は、かかる実態に目を背けて国の責任を否定し、原発事故被害者の救済を著しく妨げる判断であり、到底容認できない。
次に、本判決は、控訴人らのうち福島県内の自主的避難等対象区域からの避難については福島第一原発事故との関連性を認めたものの、一審判決と同様に、その他の地域からの避難についてはこれを否定した。しかし、福島県外においてもホットスポットといわれる地域が多数あるように、放射性物質による汚染範囲は東北や関東の広範囲に及んでいることは周知の事実であり、これらの地域からの避難者も当然に救済の対象となるべきである。それにもかかわらず本判決が事故との関連性を極めて狭い範囲にしか認定しなかったことは、多くの避難者の救済の道を閉ざすものであり、容認できるものではない。
また、一審判決では、避難の相当性の認められる期間について、原則として2011年12月とし、18歳未満の子のいる世帯については、それを超えた時期の避難についても、親らを含め相当性を肯定していたところ、本判決は、本判決は、2011年12月を超えた避難による慰謝料は、子に限ってしか認めず、その親らについては否定した。避難により受けた精神的苦痛について、子と親とを区別する合理性はまったくなく、極めて不合理な判断である。
さらに、一部の原告については損害の評価を一審判決より切り下げたり、ふるさと喪失に伴う原告らの精神的苦痛を避難した人数、人口比のみで判断し、個々の原告の被害や避難の過酷さを真正面から認定していない点も、原告らの被害に目を逸らす判断である。
最高裁は、2022(令和4)年6月17日に国の責任を否定する判決を下したが、この6・17最高裁判決に対しては、法学研究者や市民社会から、行政の怠慢を免責する判決であると厳しい批判がなされている。本判決は、この6・17最高裁判決に追随しただけのものであって、司法の責任を放棄した、到底、容認できない判決である。
福島第一原発事故からまもなく15年をむかえるが、控訴人らを含む原発事故被害者に対する賠償その他救済措置は、いまなお、その程度、範囲において、極めて不十分・限定的なものにとどまっている。
私たちは、被告らに対し、すべての被害者に対するあるべき賠償を求め、今後もたたかいを継続する決意である。
2026年2月4日
福島第一原発事故被害救済九州訴訟原告団
福島第一原発事故被害救済九州訴訟弁護団
東京電力福島第一原発事故で、福島県や首都圏などから九州へ避難した約40人が国と東電を相手に、1人あたり330万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が4日、福岡高裁であった。 高瀬順久裁判長は国の責任…